マーチンゲール法に必要なのは莫大な資金力と度胸

花札やトランプなどのギャンブルをしていると、よく出てくる言葉に「マーチンゲール法」があります。
本来はカジノで使用されている言葉ですが、知らない人が聞くと何か難しい知識を要するテクニックのように思えます。

マーチンゲール法はカジノの中でも勝率が50%、配当が2倍のゲームに利用されることがあります。
例えばルーレットのように「赤か黒」のどちらかに賭けるものや、バカラに有効とされています。

日本の博打におけるマーチンゲール法

日本の博打におけるマーチンゲール法
実はマーチンゲール法はとてもシンプルになっており、日本でも昔から使われていました。
映画やドラマの時代劇の中で、賭博の場面がよく出てきます。
そこで博徒が1両負けると2両賭け、2両負けると4両賭けるシーンが映し出されます。
あれがマーチンゲール法です。

マーチンゲール法は要するに「倍掛け法」のことであり、それを勝つまで続ける手法のことです。

マーチンゲール法の賭け方のシミュレーション

仮に最初に1,000円を賭けて、勝負に負けたとします。
そこでマーチンゲール法を使って勝負を続けた結果、9回連続で負け、10回目に勝ったとします。
その場合の、賭け金と負け分の金額は以下のようになります。

左側の金額が賭け金で、右側の金額が負け分の累計額です(手数料などのコストは除外)。
・1回目:1,000円/-1,000円
・2回目:2,000円/-3,000円
・3回目:4,000円/-7,000円
・4回目:8,000円/-15,000円
・5回目:16,000円/-31,000円
・6回目:32,000円/-63,000円
・7回目:64,000円/-127,000円
・8回目:128,000円/-255,000円
・9回目:256,000円/-511,000円
・10回目:512,000円/+1,000円

シミュレーションからも分かるように、最後の10回目に勝った時の利益は最初に賭けた1,000円だけです。
この結果は5回目に勝った時でも、20回目、50回目に勝った時でも変わりません。
つまり、マーチンゲール法は最初の賭け金を取り返すだけの手法ということです。

またシミュレーションでも明らかなように、賭け続けるごとに賭け金が膨大な金額になっていきます。
最初のたった1,000円が5回目には16,000円になり、10回目は512,000円、11回目になると100万円を超えます。
仮に最初の賭け金が10倍の10,000円だった場合は、全ての賭け金を10倍にしなければなりません。

なおマーチンゲール法はその特徴から、途中で勝負を止めるわけにはいきません。
止めるとその時点で高額な負けが確定します。

シミュレーションでは計算を分かりやすくするため手数料などのコストを除外していますが、実際のギャンブルでは手数料のかかることが多いため、そのコストも賭け金に加えていかなければなりません。

ちなみに勝利に対する倍率が2倍のゲームであれば、勝った時には最初の賭け金だけではなく利益が生じます。
例えば2回目(賭け金2,000円)に勝つと4,000円が戻るため、3,000円(4,000円-1,000円)の利益が得られます。

ただし、あくまでも「タラレバ」の世界であることに変わりはありません。

マーチンゲール法のメリット

マーチンゲール法のメリット
マーチンゲール法のメリットは、「必ず勝てる」ことです。
勝つまで続けるため、負けることはあり得ません。

ギャンブルで唯一の必勝法と言えます。

ところで勝負事というのは、基本的に勝つか負けるかの確率は50%です。
5回連続して負け、10回連続して負けたとしても次の勝負で負ける確率は50%です。

実はマーチンゲール法でよく言われるのが、『10回連続して負ける確率は0.09%(1万回に9回)でしか無い』という考え方です。
それは1回の勝負で負ける確率は2分の1、2回目の勝負で続けて負ける確率は4分の1、3回目の勝負で続けて負ける確率は8分の1に減るという理論から来ています。
しかしその理論は1回目の勝負の時点における予測値でしかなく、各回における負ける確率はやはり50%です。

マーチンゲール法のデメリット

マーチンゲール法のデメリット
絶対に勝てる手法であるのに、ギャンブルの世界でマーチンゲール法を使っている人は滅多にいません。
その理由は、「資金」と「メンタル」に耐えられないからです。

1.資金
シミュレーションを見れば分かる通り1回目の賭け金は1,000円に過ぎませんが、10回目には500倍の50万円を超えてしまいます。
それだけの大金を用意しなければ、マーチングゲール法は成り立ちません。

負ければ負けるほどリスクが大きく増加するのに、得られるものは基本的に初回分の賭け金に過ぎません。
倍率が2倍であっても取り返すチャンスが増えるだけのことです。
これがマーチンゲール法の実態です。

2.メンタル

大富豪ならともかく、いくら必ず勝てるとは言え一般市民が50%の確率に対して、何万円も何十万円もの資金を賭け続けることは精神的に耐えられません。
これがマーチンゲール法を推奨されない大きな理由です。

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